自宅の庭をお墓にできる?


16.5.24.4
 自分の遺骨は自宅の庭に埋めてもらって、家族の傍にいつまでもいたい…。こんな希望を持たれている方もおられるのではないでしょうか。自宅の庭にお墓を建てて遺骨を納骨できるか、言い換えれば個人宅に自家用の墓地を造れるかですが、法律的には可能なのでしょうか。

16.5.24.1
 墓地以外の区域に、遺骨を埋葬したり納骨したりすることはできません。
(墓地埋葬法4条1項)
 ここでの墓地とは、「墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(中略)の許可を受けた区域」とされています。そして、「墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない」と定められています(墓地埋葬法10条)。

 つまり自宅の庭にお墓を建てて遺骨を埋葬したいなら、都道府県知事に許可を得て、自宅の庭に個人墓地を開設しなければなりません。

 自家用のお墓を建てるだけなら墓地の経営ではないので許可は不要なのでは?とも考えられますが、行政解釈では個人墓地を開設する場合であっても、許可を受けなければならないとしています。行政の許可を受けずに墓地を開設した場合、6ヶ月以下の懲役または1万円以上2万円以下の罰金に処せられることになります。

個人墓地を開設できるのか

16.5.24.2
 現状では、個人墓地の開設は認めらないのが原則です。
 山間部や僻地などの人里離れた場所で周囲に墓地が全くないなどの特段の事情がある場合は、個人墓地の開設を認めるとの通達(昭和21年9月3日発警第85号)はあります。

 しかし、各種交通機関の発達や土地の開発が進んだ現代においては、そのような事情があると認められることは非常に稀といわざるを得ないでしょう。従って、個人墓地の開設許可が行政から下りる可能性はほとんどないといえます。

 墓地を開設するにあたっては、公衆衛生の確保や国民の宗教的感情の尊重、墓地経営の永続性などの面が重視されます。よって墓地開設の許可を受けられる、つまり墓地の経営主体となれるのは市町村などの地方公共団体、宗教法人や公益法人などに限られます。
(経営主体の違いによる各墓地の特徴の解説はこちらから)

遺骨を納めない慰霊碑なら建設が可能

16.5.24.3
 自宅の庭に個人墓地を開設することはできせんが、慰霊碑の建設は自由です。
 一個人が墓地開設許可を得て、自宅の庭にお墓を建てることはほぼ不可能です。
 但し「お墓」とは、「死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設」のことを指すので、遺骨と関係のない、故人の写真や思い出の品などを納める慰霊碑であれば自由に建てることができます。


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2016-05-24 | Posted in お墓の引越し、墓じまいComments Closed 

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