限定承認とは (1)


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 相続の対象となるものは、預貯金や不動産などのプラスの財産だけではありません。ローンや借金などのマイナスの財産も、相続財産に含まれます。亡くなった方の財産を相続する際、相続人は財産を全て受け取る(単純承認)か全て受け取らない(相続放棄)かを決めなければなりません。亡くなった方が残された財産よりも明らかに借金の額が大きいのであれば相続放棄を選択すれば良いのですが、どちらの額が大きいのか判断がつかない場合もあります。そんな場合に利用したい手続きが、限定承認です。

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 限定承認とは、「相続人が遺産を相続するときに相続財産を責任の限度として相続すること」とされています。
 簡単にいえば、残された負債(亡くなった方の借金やローン)が財産よりも大きい場合でも、返済するのは最大で相続財産の部分のみ、ということになります。
 さらに負債を清算した後に余った財産があれば、それを相続することができます。単純承認、相続放棄以外の相続手続きとして、6月16日放送のバイキングという番組でも取り上げられていました。

限定承認の効果

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単純承認、相続放棄との違い

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 単純承認をすると、財産も負債も全て相続することになります。
 相続放棄をした場合だと負債は相続しませんが、財産も相続できなくなります。
 限定承認をすると、プラスの財産でマイナスの財産を清算した後、余ったプラスの財産があればそれを相続します。マイナスの財産がプラスの財産を上回る場合でも、超過したマイナス分を返済する必要はありません。


こんな方のために

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・財産と負債、どちらが多いんだろう?
・相続財産の内、自宅は残しておきたい…
・相続人の数が少ない!


 単純承認をするか相続放棄をするかの判断がつかない方や、残しておきたい相続財産のある方に利用してもらいたい手続きです。また、限定承認は相続人全員で行うので、相続人の数が少ない方が手続きをやりやすくなります。

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 便利でお得そうな限定承認ですが、それゆえに面倒な手続きや申請を経なければなりません。次回では、限定承認の実務的なところを記事にしたいと思います。

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・相続手続きってどうするの?
・相続は何から始めれば…
・相続対策のために遺言書を書いておきたい!

 上記のようなご要望、お悩み、疑問をお持ちの方は是非さくらい行政書士事務所までご相談ください!
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2016-06-16 | Posted in 相続手続きComments Closed 

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