お墓から引き上げた遺骨を自宅で保管するには?
目次
遺骨を一時的に引き上げる場合もある
菩提寺が廃寺になるから…。
お墓から両親の遺骨だけ取り出したい…。
改葬先はまだ決まっていないけど、しばらくの間は遺骨を自宅で保管したい。そのような判断をする場合もあるかと思います。お墓に入っていた遺骨を自宅に引き上げる際に必要な手続きや注意について解説します。
自宅で遺骨を保管しても良い
以前の記事(遺骨の自宅保管)でも解説していますが、遺骨を自宅で安置・保管することは禁止されていません。
但し、自宅の庭に墓石を建てて遺骨を納骨するなど、人目に触れないような形での遺骨の保管は墓地埋葬法10条に違反してしまいます。こちらの記事で解説しています。(自宅の庭をお墓にできる?)
改葬の手続きは基本的に不要
改葬とは、「埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すこと」とされています。この定義により、お墓から取り出した遺骨を自宅に保管するのであれば、改葬の許可は不要となります。
墓地管理者に遺骨の返還を請求し、お墓から遺骨を取り出して持ち帰れば手続きは終了です。
改葬の許可が必要な場合もある
下記の2点が代表的なケースです。
改葬先がすでに決まっており、その前段階として遺骨を自宅で一時的に保管するという場合は改葬の許可が必要となります。この一連の行為が改葬に該当するからです。
また、遺骨の自宅安置に対する取り扱いは各自治体によって異なります。神奈川県川崎市においては、遺骨の取り出しが自宅安置目的であっても、改葬許可の手続きを必要としています。
遺骨の自宅での取り扱いについて不安な場合は、各自治体に遺骨を自宅で安置する場合の手続きを問い合わせてみましょう。
埋蔵証明を発行してもらう
自宅に持ち帰った遺骨も、いずれは新しい墓地や永代供養墓に納骨されることと思います。その時に備えて、あらかじめ墓地の管理者から埋蔵証明書を交付してもらいましょう。
焼骨を墓地や永代供養墓に埋蔵するには、墓地管理者に対して埋葬許可証、改葬許可証または火葬許可証を受理させなければなりません。そのため、一旦引き上げて自宅で保管していた遺骨を納骨する時にも、改葬許可証を提出する必要が出てきます。
改葬許可証の取得には埋蔵証明が必要となるので、後に改葬許可申請に必要なものが揃わない!といった事態を防ぐために、埋蔵証明の交付を忘れずに受けておきましょう。
埋蔵証明の方法
埋蔵証明の方法は、墓地管理者が改葬許可申請書へ署名と押印をするという方式がほとんどです。
埋蔵証明を受ける際は、あらかじめ改葬許可申請書を用意しておくとよいでしょう。
お問い合わせ
改葬先は決まっていないけど、遺骨を自宅に引き上げないと…。そんな場合は、埋蔵証明の取得を忘れずに行っておきましょう。
・お墓の引越しをしたい!
・墓じまいって何からすれば?
・将来、自分のお墓が無縁墓になるかも…
上記のようなご要望、お悩み、疑問をお持ちの方は是非さくらい行政書士事務所までご相談ください!
2017-02-08 | Posted in お墓の引越し、墓じまい | Comments Closed