60代までに考えたい、お墓の引越しと3つの候補地
目次
墓じまいはいつ考える?
こんな方もいらっしゃるかと思います。
加齢や引越しが原因でお墓参りに行けない、または行きづらいという方は、墓じまいをご検討されてはいかがでしょうか。
それでは、墓じまいはどのくらいの時期に考えればよいのでしょうか。
墓じまいは終活の一環として捉えられています。自分の入るお墓のことですから、終活の時期に考えるのが相応しいともいえます。
しかし、できるだけ早めに、60代までに墓じまいに取り組んでいただきたい方もいらっしゃいます。
では、墓じまいを早めに検討して欲しい方とはどんな方々なのでしょうか。3つのパターンを解説いたします。
墓じまいを早めに考えておきたいのは
こんな方々
お墓を継ぐ人がいない方
お子さんのおられない方や、いわゆるおひとり様の方が亡くなると、お墓を継ぐ人がいなくなります。
管理されないお墓はいずれ無縁墓として扱われることになってしまいます。
このような事態を防ぐために、お墓を継ぐ人がいない方は早めの墓じまいを検討されることをオススメします。
生活圏にお墓がない方
また、墓じまいや改葬の許可申請を行うには埋蔵証明というものが必要にあります。埋蔵証明は現在の墓地から発行してもらうので、お墓が遠いところにある場合、体が元気なうちに墓じまいをしておくほうがよいでしょう。
複数のお墓をお持ちの方
お互いが一人っ子だと、どちらの実家のお墓に入るのか?という問題が発生します。お互いがそれぞれの実家のお墓に入るという手段もありますが、自分の子がどちらのお墓に入れば良いのか?と悩むことになります。
下の世代の負担を軽くするためにも、管理するお墓が複数ある場合も早めに墓じまいを検討しましょう。
改葬を考えておきたい方、まとめ
◆お墓が生活圏にない方
◆一人っ子どうしで結婚された方
上記にあてはまる方は、いずれ墓じまいが必要となる可能性が高いです。是非とも早めに考えておきましょう。
何故なら、長い間お参りがされず放置され続けたお墓は、なくなってしまう可能性があるからです。
放置されたお墓は失くなってしまう!?
掃除や管理をする人がいなければお墓はどんどん荒れていってしまいます。お墓を『荒れ墓』のままにしていたら、いつの間にかお墓がなくなっていた!最悪の場合、このようなことも起こりかねません。
無縁墓とは、継ぐ人がいなくなったお墓
お墓は、代々受け継がれていく永久性という性質を持つ特殊な財産です。墓地埋葬法が制定される以前であっても、単にお墓の相続人がいなくなったというだけではお墓を取り壊すことはなかったといわれています。
墓地管理者は無縁墓を墓じまいできる
改正前の無縁墓の改葬手続きは非常に厳格な規定が定められており、実質的に不可能というものでした。しかし墓地の用地不足などを背景に、墓地管理者が無縁墓の改葬を行えるようにしたとされています。
もちろん、上述の通りお墓は承継者がいる限り受け継がれていく特殊な財産です。無縁墓を墓じまいをしようとする際、本当に縁故者がいないのかどうかを墓地管理者はきちんと調査する必要があります。
荒れ墓になりそうなら改葬の検討を!
お墓は祖先に感謝し、子孫が交流をする場でもあります。そんな大切な場が荒れたまま放置されるのは、とても悲しいことです。
◆年を取って、お墓の管理が大変になった…
このようなことに思い当たる方は、墓じまいや永代供養墓への改葬を検討してみてください。
改葬しよう! でもどこに?
◆ペットも同じお墓に入れたいから…。
改葬を希望される理由は様々です。
改葬とは、現在のお墓から遺骨を取り出し、別の墓地へ納骨しなおすことを指します。
近年の多様な供養の方法から、伝統的な家墓だけでなく永代供養墓や納骨堂も改葬先の選択肢として挙がるようになりました。改葬先の候補となる3つの施設を解説します。
改葬先の3つの候補
新規の墓地・霊園
新規の墓地と新たに永代使用契約を締結します。
新規墓地の永代使用料や墓石の建立費などが必要になるので、費用は高額になりがちです。
しかし、「ペットといっしょに入れるお墓がいい!」「墓石のデザインを自由に決めたい!」などの特別な希望を叶えるには、永代供養墓や納骨堂では難しいでしょう。
お墓に対してどうしても譲れない希望がある場合は、それが叶えられる墓地・霊園を探しましょう。
公営墓地は人気がありますが、募集時期が限定され、入れるかどうかも抽選で決められることがほとんどです。
「○○市+市営墓地」などで検索すると、各市の募集内容や現在の募集状況などを掲載しているページを見つけられるかと思います。
永代供養墓
永代供養墓は家墓と異なり、継ぐ人がいなくても入ることのできるお墓です。
永代供養墓は、おひとり様やお子さんがいないなどお墓の承継者がいない方はもちろん、お墓の管理・維持が困難だという方にもオススメしたい改葬先です。
但し、永代供養墓に納骨すると遺骨の取り出しができなくなる(=その永代供養墓から改葬ができなくなる)ことが多いので、使用規約などを注意して呼んでおきましょう。
納骨堂
遺骨を屋内で保管する施設を納骨堂といいます。
墓地・霊園が屋内にがあるとイメージしていただければよろしいかと思います。屋内にあるので、天候に左右されずにお参りできるのが大きな特長です。
敷地の中に個人の区画が設けられている納骨堂のほか、機械式駐車場のような自動搬送式の納骨堂も登場しています。
第一候補はお参りし易いところ
「その改葬先を選んだ理由は?」というアンケートを改葬した人に行った結果、最も多い回答は「自宅からの距離が近いから」というものになりました。
各々に長所や短所がありますが、改葬先で最も重視したいものはお参りのしやすさです。
もちろん、承継者の心配があったり特別な希望(例:ペットと同じお墓に入りたい)がある場合は、自分の希望を叶えられるところを探しましょう。
改葬で準備すること、用意するもの
よって、お墓の引越し先も墓地であるかどうかを確認されてからでないと改葬をすることはできません。
改葬(お墓の引越し)をするためのおおまかな流れと、用意するものを解説します。
改葬の大まかな流れ
改葬の大まかな流れをご説明します。
2.墓地の管理者に、改葬する旨を伝える
3.改葬先を探す
4.受入証明書を取得する
5.改葬許可申請書を取得する
6.埋蔵証明を取得する
7.4、5、6の書類を役所に提出し、改葬許可証を取得する
8.現在の墓地から遺骨を取り出し、墓地を解体、撤去する
9.改葬先に改葬許可証を提出し、新しい墓地に納骨する
現在の墓地から遺骨を取り出し、違う場所に埋蔵し直すには役所の許可が必要です。
書類を揃えたり届けを出したりなどの手続き面も重要ですが、自分の希望に沿う改葬先の選定や墓地管理人とのトラブル回避、親族とのお話し合いなども、改葬を行う際には重要になってきます。
改葬に必要な書類
前述のとおり、改葬にあたって用意しなければならない書類がいくつかあります。
(新規墓地から取得)
◆埋蔵証明
(改葬前の墓地の管理者から発行してもらう)
◆改葬許可申請書
(改葬前の墓地がある市町村から取得)
※これらと合わせて、死亡者の戸籍(除籍)謄本や墓地使用者の承諾書などが必要となるケースもあります。
上記に記載した書類を改葬前の墓地がある市町村役場に提出し、申請が認められると改葬許可証が発行されます。
改葬の申請に必要な受入証明書は改葬先の墓地から取得するので、お墓の引越し先を決めておかないと改葬の許可を得ることができません。
改葬許可証が発行されれば、改葬の法務的な手続きはひと段落したといえます。
お問い合わせ
自分のライフスタイルにあった墓地を探したり、書類を集めて事務的な手続きを踏んだりと、お墓の引越しには時間や手間がかかります。お墓の管理に不安がある方は、元気な内に改葬を検討してみましょう!
・お墓の引越しをしたい!
・最近お墓参りに行けていない…
・このままだと、無縁墓になっちゃう?