改葬費用の目安


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 「改葬(墓じまい)するのにいくらぐらいかかるの?」という質問をよくいただきます。お墓のことだからかなり費用がかかりそう、でも具体的な金額はわからない…。このページをご覧いただいている方も、そんなお悩みを抱えておられるのではないでしょうか。
 以下に、改葬に必要な費用の概算をご紹介します。改葬前のお墓にかかる費用、改葬先のお墓にかかる費用、改葬に纏わる法要にかかる費用、改葬に必要な書類を取得するのにかかる費用の4つに分類してご説明しますので、最後までお目を通していただければ幸いです。

1.改葬前のお墓にかかる費用

改葬前

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 改葬(墓じまい)をして墓地の区画を引き払う際、更地にしてから墓地の管理者に引き渡さなければならないことがほとんどです。よって、墓石の解体撤去費はほぼ必ず必要になります。1㎡あたり8万~15万円というのが解体費用の相場となっていますが、高額になるケースもあります。可能ならば複数の石材店さんに見積もりをお願いしましょう。
 核家族化の影響もあり、お墓の区画が1.2㎡~1.5㎡のものが最近になって増えてきているのですが、昔からのお墓の区画はたいてい1坪(約3.3㎡)です。相場内に収まっても、お墓の区画を更地にするのにも50万円近くかかるとみた方が良いでしょう。

改葬先でも現在の墓石を使うなら

 新しい墓地の区画に入るかどうかわからない、運搬の際にヒビが入るかもしれない、そもそも改葬先の墓地が許可を出してくれないなどの理由から、改葬前の墓地で使っていた墓石を改葬先の墓地でも引き続き使用することはまれです。どうしても、墓石も引越しさせたい!という強い希望を持つ方は、石材店さんや改葬先の墓地管理者さんとのお話し合いを重ねる必要があります。各々との調整が無事に終わっても、費用面での大きな負担を逃れられません。上記の表の通り、墓石の運搬や磨き直しなどでかなりの費用が加わってしまいます

2.改葬先のお墓にかかる費用

改葬先

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 お墓を建てる費用、改葬先の墓地の区画を使用するための費用、区画を管理するための費用、新しいお墓に納骨するための費用の4つが、改葬先のお墓にかかる主だったものになります。
 墓石工事費は、墓石のデザイン、墓石の材質、墓石を建てる区画の大きさなどにより上下します。納骨堂や一部の永代供養墓などの墓石を建てない墓地を改葬に選べば、もちろん墓石工事費は必要ありません。
 民間霊園では自由にデザインした墓石を使用できることが多いですが、公営墓地、特に寺院墓地では、ある程度決まった形の墓石しか認められないことがほとんどです。また、墓石の形を自由に決められるからといって、あまりに奇抜な形にするのは考え物です。自分のみが入る永代供養墓などならともかく、ご先祖や自分の子孫もそのお墓に入ることをお忘れることのないようお願いいたします。
 永代使用料と管理費は、一般的には民間霊園と寺院墓地では高額で、公営墓地では安価な傾向にあります。
 設備や管理が行き届いている、お寺で手厚く祀ってもらえるから安心、などの利点が民営墓地や寺院墓地にはあるので、永代使用料や管理費の面だけで改葬先を決めることは避けた方がよいでしょう。どの種類の墓地を改葬先に選んだとしても、永代使用料や管理費などの費用面を契約前にきちんと確認しておきましょう。
(各墓地の特徴や注意点などはこちらで解説しています)

3.改葬に纏わる法要にかかる費用

法要

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 改葬の際には、閉眼法要(へいげんほうよう)、開眼法要(かいげんほうよう)という法要を行います。離檀料についてもこちらで解説します。
 離檀料は、よくご相談いただく部分です。離檀料の相場やトラブルについてはこちらからご覧ください。寺院に墓地がある場合、檀家をやめたりお墓を移したりする際にはこれまでのお礼として「お布施」を包む慣習があります。このときにお渡しするお布施のことを離檀料と呼びます。離檀料という言葉は元々はなかったのですが、わかり易い表現なので最近はよく使われています。
 前述の通り、離檀料はお布施であり、基本的には寺院に対するお礼であったり仏様に対する感謝の気持ちを表したものであったりします。よって金額に決まりはないのですが、法要1回につきお包みする額の2~3倍、例えば普段から5万円のお布施を包んでいるのなら10万~15万円が妥当なところとされています。
 閉眼法要は魂抜きとも呼ばれます。閉眼法要は改葬前の墓地で、お墓から遺骨を取り出す際に行います。魂の入っていた墓石をただの石にするための法要です。開眼法要はこの逆で、墓石に魂を宿らせるための法要です。こちらは改葬先の墓地で行います。どちらの法要も僧侶をお呼びするので、読経代(お布施)に加えてお車代を包むことが多いです。

4.書類の取得にかかる費用

書類

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 改葬に必要な書類はこちらでご説明しております。そのうちの1つである埋蔵証明は、改葬前の墓地の管理者から発行してもらいます。その際の料金は墓地によってまちまちですが、1通あたり400円~1500円といったところがほとんどです。埋蔵証明はご遺骨1体につき1枚必要なので、お墓に収められているご遺骨の数が多いと、手続き面だけでなく費用面でもかなりの負担になってしまいます。
 戸籍謄本や住民票なども、改葬許可申請書を提出する役所によって必要となるものや枚数などが異なります。大抵は、お墓に入っている人(死亡者)の戸籍謄本や、お墓に入っている人と改葬の申請をしようとしている人との続柄がわかる戸籍謄本の添付を求められます。たくさんのご先祖が1つのお墓に入っていると、取り寄せなければならない戸籍謄本の枚数も多くなります。改葬に必要な戸籍謄本を集めていたら、電話帳くらいの厚さになってしまった…ということもままあります。そうなると、管理や整頓をするのも一苦労です。

まとめ

まとめ

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 以上に記載した4つの費用の合計は250万~350万円程度になり、こちらが改葬に必要なおおまかな費用となります。高額だな…と思われた方がほとんどではないでしょうか。改葬は改葬をする人のみの問題ではありません。すでにお墓に入っておられるご先祖、ルーツを共にする親族の方々、そして自分たちの子孫…。改葬は、過去、現在、未来の人々に関わることです。改葬をご検討される際は、費用のことももちろんですが、新たな心の拠り所を見つけるということにもご留意くださいますよう、お願い申し上げております。

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2016-04-21 | Posted in お墓の引越し、墓じまいComments Closed 

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