埋蔵証明書が発行されない!?
埋蔵証明書は、改葬の許可を受ける際には必須の書面となります。埋蔵証明書がなければ改葬の手続きを進めることができません。そんな重要な埋蔵証明書ですが、「これにより難い特別の事情のある場合にあつては、市町村長が認めるこれに順ずる書面」の提出で改葬の申請を進められるとも規定されています。埋蔵証明書を提出することが難しい事情とはどんなものなのでしょうか?そして、埋蔵証明書にかわる書面とはどんなものなのでしょうか?
埋蔵証明書の形式
埋蔵証明書は独立したものではなく、改葬許可申請書と一体となっている場合もあります。
例)神戸市の改葬許可申請書
上部の太枠の部分は申請者が記入し、下部の
細枠の部分は墓地管理者に記入します。これが
埋蔵証明になります。
埋蔵証明書の取得が難しい事情
埋蔵証明書を得ることが難しいケースには、以下の2つが代表的なものとして挙げられます。
改葬に反対しているなどの理由で、墓地の管理者が埋蔵証明書を発行しないケースがあります。その際に、「離檀料として100万円を支払わないなら埋蔵証明にサインしない」など言われることもあります。法外な離檀料の請求は拒否することができるのですが、それでは埋蔵証明書はどのように手に入れればよいのでしょうか。そのような場合についての鳥取県衛生部長の問い合わせに対して、厚生省の環境衛生課長が次のように答えています。読み飛ばしてくださっても結構です。
墓地埋葬等に関する法律施行規則第2条中について改葬申請人亦は申請受任者の要請に不拘墓地管理人は次の証明をする事に応じない。
この場合申請人亦はその受任者は右の事実を立証する書面を添えて申請する事に依り市長は改葬許可証を下附する事の適否について
答
改葬許可の申請にあたり、墓地若しくは納骨堂の管理者が埋葬若しくは納骨の事実の証明を拒むべきでないものであるが、もし拒んだような場合はお尋ねのようにこれにかわる立証の書面をもって取り扱って差し支えない。
ただし、本法はあくまでも国民の宗教感情上に合致して支障なく事が運ばれることを最も重視すべきことで、このような場合においても極力当該管理者に証明書を出させるよう指導を行い万遺憾なきを期するべきである。
(昭和30年2月28日衛環代22号)
改葬の際には墓地管理者が納得した上で埋蔵証明書を発行してもらうことが最良であるが、これが叶わないなら埋蔵証明書のかわりになる書面で改葬の申請をすすめても良い、ということです。墓地管理者が埋蔵証明書を発行しないという事情は、上記の「これにより難い(埋蔵証明書を提出することが難しい)特別の事情」に該当します。よって、埋蔵証明書にかわる書面を提出することになります。
埋蔵証明書のかわりになる書面ですが、これはケースによって異なってきます。上記のようなケースであるならば、経過を詳述した改葬申請書の陳述書や、管理料などを支払ってきたことの裏付けとなる領収書などを埋蔵証明書のかわりに提出することになると思われます。
埋蔵証明書は墓地の管理者が発行するものであり、墓地管理者がいないという事情は「これにより難い特別の事情」に該当します。よって、埋蔵証明書にかわる書面を提出するのですが、どのような書面を提出することになるのでしょうか。
山間部などにある村落型共同墓地のような場合であれば、当該地域の古老による陳述書などになるケースがあります。他にも、改葬申請書の陳述書や墓地の写真などを提出することになることもあると思われます。
お問い合わせ
埋蔵証明書に代わる書面ですが、上記で解説したものはあくまで一例であり、必要となる書面はケースによって異なる場合があることをご了承ください。埋蔵証明書が提出できない事情がある場合、どうすればよいのかは、まず役場に問い合わせてみましょう。
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