遺言書が無視される!?
遺言書では、相続人に財産をどう分配するか、誰に財産を譲るかなどの財産に関する事項を指定でき、その内容は法的な拘束力を持ちます。ペットと一緒のお墓や墓友ともお墓の希望を叶えてもらうためには一工夫が必要だけど、財産については遺言書さえ書いておけば安心…、というわけでもないのです。
目次
遺言を無視してもいいの?
実務的な面では
たとえ遺言書が存在していたとしても、相続人全員が遺言書を無視すると決めてしまえば、それを訴える者がいないので実務上は問題が生じません。
相続人の名義に変更するために訪れるであろう銀行や法務局であっても、遺言の存在を知りようがないので、こちらでも問題になりません。
法律的な面では
遺言書があるなら、財産の分配はそのまま決まってしまうという判例があるのは上述の通りです。しかし、一旦は財産の分配があったとして、その後に相続人全員の協議の上で財産の分配をもう一度行うことは可能です。これも結果的に遺言書を無視する形になるのですが、こちらの事例も裁判所の判例(平成13年6月28日東京地裁判決)がございます。
遺言を無視されないためには?
遺言書が無視されないためのプランを3つご紹介します。下に行くほど確実ですが、手間のかかる方法となります。
付言を残しておく
このような事情があるので財産はこう分けることにする、というような付言を遺言に書いておきます。
財産の分配だけでなく、その背景にある自分の心情や思いを残しておくのです。相続人たちに自分の考えを理解してもらい、意思を尊重してもらえることを期待します。
事前に話し合いをする
このような遺言書を残しておく、と生前の内に相続人たちへ遺言の内容を伝えておきます。
遺言の内容が明らかになってしまい、話し合いの機会も必要となりますが、話し合いを重ねる内に遺言者も相続人もみんなが納得できる遺言になることもあります。
遺言執行者を指定する
遺言執行者の解説はこちらからどうぞ。
遺言を正しく実現するために、遺言執行者は遺言の対象となる相続財産の管理などについて、一切の権限を持ちます。また、遺言執行者がいる場合は、相続人は遺言の執行を妨害することができません。よって、遺言通りの分配を行いたいなら、遺言執行者を指定することが確実です。信頼できる人や専門家にお願いしておきましょう。
お問い合わせ
遺言書を残していても、それを元に手続きをするのは相続人なので、遺言の内容が必ず叶えられるとは限りません。相続人たちと話し合うにしても、遺言執行者を指定するにしても、遺言を確実なものにするためには事前の準備が不可欠です。
・遺言で希望を叶えるには?
・遺言の内容を実現して欲しい!
・こんな遺言書が残されてたんだけど…