養子縁組とは (その1 養子縁組の種類)


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 娘の結婚相手を婿養子にする、再婚の際に相手の連れ子を養子にする。養子というとこんなイメージされる方が多いと思われます。
 養親養子という関係は、相続においてしばしば大きな影響を与えます。養子縁組は相続にどんな影響を与えるのか、その1では養子縁組という制度から解説いたします。


 養子縁組には2種類あります。従来からある「普通養子縁組」と比較的新しい「特別養子縁組」です。

普通養子縁組

 普通養子縁組の代表的な例として挙げられるのは、『婿養子』という縁組の形です。男子に家長を継がせるため、自分の娘の結婚相手を養子とします。また、再婚相手の連れ子を養子にすることも、普通養子縁組でされることがほとんどです。
 養子となっても実親との実親子関係は継続されます。養子はいわば二重の親子関係を持つことになり、相続において養子は実親と養親の両方の相続人となります。

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特別養子縁組

 特別養子縁組は1987年に施行された養子縁組制度です。実親による養育が期待できないなどの子の利益が侵害されるような場合に、養親が実の親として養子を養育するための制度で、子の福祉のためにある制度といえます。このため、戸籍上でも「長男」などの実子と同じ記載がされ、養子であることが分かりづらくなっています。
 養子は実親との親子関係が終了し、養親と実親子に準じた関係となる制度なので、成立要件が普通養子縁組と比べて強めに制限されています。

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養子縁組の成立

 原則として、普通養子縁組は届出で、特別養子縁組は家庭裁判所の審判で成立します。

普通養子縁組の成立要件

 普通養子縁組は原則として、当事者の意思が合致し、届出をすることにより自由に成立させることができます。届出先は、養親の本籍地・養子の本籍地・届出人の所在地の、いずれかの市町村役場です。養子となる者が未成年者の場合や、後見人が被後見人を養子とする場合は、家庭裁判所の許可が必要になります。また、自分の尊属(自分の親、祖父母など)や年長者を養子とすることはできません。

特別養子縁組の成立要件

 特別養子縁組とは、養子と実親との親子関係が消滅させ、養子と養親との関係が実親子関係に準じたものになる制度です。そのため、成立要件は厳しくなっています。

1.実父母による監護が著しく困難な場合など、子のために得に必要
  な事情がある
2.養親となる者が、25歳以上の配偶者のある者で、夫婦とも養親に
  なること
3.養子となる者が、6歳未満であること
 (但し、6歳前から養親に監護されていた場合は、請求する前に8歳
  未満であればよい)

 以上の要件を満たし、家庭裁判所に養子縁組の審判請求をします。特別養子縁組制度は、実親による養育が期待できずに子の利益とならない場合において、養親が実の子として養子を養育するという趣旨の制度なので、上記3つのような要件が課されています。

お問い合わせ

 上述の通り、養子縁組は相続において重要な影響を与えます。養親・養子の関係で相続人となる者や法定相続分が複雑になるのです。終活の準備の際には戸籍謄本を取り寄せて、誰が相続人となるかをきちんと把握しておきましょう。

・終活の準備を始めたい!
・相続手続きで、戸籍謄本ってどう活用するの?
・相続対策は何からすれば…

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2016-07-06 | Posted in 相続手続きComments Closed 

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