限定承認とは (2)
その1はこちらから
限定承認とは、「相続人が遺産を相続するときに相続財産を責任の限度として相続すること」とされています。
簡単にいえば、残された負債(亡くなった方の借金やローン)が財産よりも大きい場合でも、返済するのは最大で相続財産の部分のみ、ということになります。
さらに負債を清算した後に余った財産があれば、それを相続することができます。単純承認、相続放棄以外の相続手続きとして、6月16日放送のバイキングという番組でも取り上げられていました。
限定承認の手続きはどのような流れで進むのかを解説します。
1.限定承認の申述を行った後、5日以内に全ての相続債権者(亡くなった方に
お金を貸していた人など)と受遺者(遺贈を受ける人)に対して、2ヶ月以
上の期間を定めて公告を行う。すでに分かっている相続債権者に対しては個
別に催告を行う。
2.公告期間が終わったら、相続債権者に対して、それぞれの債権額の割合に応
じて弁済をする。
例)Aさんから100万円、Bさんから200万円を借りていて、相続財産が90万円の
場合は、Aさんに30万円、Bさんに60万円を返済する。
3.相続債権者に弁済した後、受遺者に弁済をする
4.弁済をするために相続財産を売却する必要がある場合は、競売を行う。
5.但し、相続財産の全部または一部について、家庭裁判所が選任した鑑定人の
評価に従う価額を支払えば、競売を止めることができる。
上記の限定承認の5.に、大きな利点が隠されています。残しておきたい相続財産がある場合、その価額を支払えば、その財産を手元に残すことができます。
負債は莫大で相続放棄を考えているけど、自宅や事業所だけはどうしても残しておきたい!という方にとって、大きな利点です。
以下の行為を行うと、単純承認をしたとみなされること(法定単純承認)になります。そのため、限定承認が認められなくなります。
1.期間内に限定承認をしなかったとき
2.相続財産の全部または一部を処分したとき
3.限定承認をした後で、相続財産の隠匿などを行ったとき
簡単にいえば、残された負債(亡くなった方の借金やローン)が財産よりも大きい場合でも、返済するのは最大で相続財産の部分のみ、ということになります。
さらに負債を清算した後に余った財産があれば、それを相続することができます。単純承認、相続放棄以外の相続手続きとして、6月16日放送のバイキングという番組でも取り上げられていました。
限定承認の効果
限定承認の申立て
限定承認の申立てについて解説します。
◇申述人 相続放棄した者を除く、相続人全員
◇申述先 相続が始まった地を管轄する家庭裁判所
◇申述時期 相続開始を知ったときから3ヶ月以内
◇添付書類 ・被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの全ての
戸籍謄本
・被相続人の住民票除票
・申述人全員の戸籍謄本
・身分関係についての資料など、各裁判所が定める書類
限定承認の手続きは基本的に、相続人全員で申述しなければなりません。また、申述できる期間は3ヶ月以内と短いので、限定承認をするためには相続人同士による事前の打ち合わせが必要となるでしょう。加えて、申述する人全員の戸籍謄本も提出するので、相続人が多い場合は用意する書類もかなり多くなります。
限定承認の流れ
1.限定承認の申述を行った後、5日以内に全ての相続債権者(亡くなった方に
お金を貸していた人など)と受遺者(遺贈を受ける人)に対して、2ヶ月以
上の期間を定めて公告を行う。すでに分かっている相続債権者に対しては個
別に催告を行う。
2.公告期間が終わったら、相続債権者に対して、それぞれの債権額の割合に応
じて弁済をする。
例)Aさんから100万円、Bさんから200万円を借りていて、相続財産が90万円の
場合は、Aさんに30万円、Bさんに60万円を返済する。
3.相続債権者に弁済した後、受遺者に弁済をする
4.弁済をするために相続財産を売却する必要がある場合は、競売を行う。
5.但し、相続財産の全部または一部について、家庭裁判所が選任した鑑定人の
評価に従う価額を支払えば、競売を止めることができる。
限定承認の利点
負債は莫大で相続放棄を考えているけど、自宅や事業所だけはどうしても残しておきたい!という方にとって、大きな利点です。
限定承認の注意点
1.期間内に限定承認をしなかったとき
2.相続財産の全部または一部を処分したとき
3.限定承認をした後で、相続財産の隠匿などを行ったとき
限定承認を申述できる期間は3ヶ月以内と短いので、1.は要注意です。
相続財産の宝石を売ってしまう、またはこっそり隠して自分のものにしてしまうなどをすると、限定承認をする前後を問わず、単純承認したことになってしまいます。
お問い合わせ
様々な利点がある限定承認ですが、公告や競売といった耳慣れない手続きをしなければなりません。申請の段階においても相続人全員で期間内に行わなければならないので、事前の打ち合わせや専門家への相談などの準備はしっかりと行っておきましょう。
・相続手続きってどうするの?
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・相続対策のために遺言書を書いておきたい!
2016-06-17 | Posted in 相続手続き | Comments Closed