こんな遺言は大丈夫?
自筆証書遺言の要式
遺言を録音したもの
遺言としては無効ですが、録音された音声は遺言者の意思を補強する証拠になります。有効な遺言書があり、さらにそれに沿う旨の録音テープがあれば、遺言の内容を疑いにくくなります。遺言書がなくても、遺産分割協議の際にその録音の内容に基づいて協議が進むことが期待できます。
点字で書いた遺言書
それでは、視覚障害の方はどのように遺言を残せばよいのでしょうか。公正証書遺言は、遺言者が口述した内容を公証人が記述して作成します。公証役場で作る、公正証書遺言の方式で遺言を残すと良いでしょう。
ひとこと書いた遺言書
分配の背景にある自分の心情や条理を書いておくと、相続人の方たちにも納得されやすい遺言書になります。長男より次男に多くの財産を残す旨の遺言を残した場合でも、「次男に多く財産を相続させたのは、生活の世話をしてくれた礼である」というような付言をつけておけば、相続手続きのスムーズな進行が期待できます。
付言は自由に書くことができますが、そのために問題が起こることももあります。以下に例を挙げます。
負担付遺贈として疑われる場合
「長男に家を相続させる。お母さんのことをよろしく頼む」。このような遺言があったとします。「お母さんのことをよろしく頼む」という部分ですが、これは付言であって、相続に関係のない文言なのでしょうか?それとも、妻の生活の世話を見てもらう見返りとして家を相続させるという意味でしょうか?このように、遺贈を受ける人へ対価には当たらない程度の負担を課す遺贈のことを、負担付遺贈といいます(負担付遺贈の解説はこちらから)。例のような文章だと、付言なのか負担付遺贈なのか、遺言の内容に疑いがかかることがあります。
私信として疑われる場合
遺言書は財産の分配を指定するものであり、誰かに宛てて書くというものではありません。「相続人一同へ」、「遺言執行者殿」、「○○家庭裁判所御中」などというような宛名が遺言書に書かれていると私信と見られ、遺言の効力に疑いがかかることもあります。遺言書内に宛名を書くのは避けましょう。
最後に
遺言者が亡くなってしまえば、遺言の真意はもはや誰にも分かりません。よって遺言は内容が正確で、明確であることが求められます。遺言はいきなり書くと文章がまとまらず、冗長になったり二通りの意味で取られる表現になったりしがちです。まず下書きをし、それから作成することをおすすめします。専門家といっしょに作成すればより良いでしょう。
お問い合わせ
遺言書をうまく利用できれば、相続のことだけでなくお墓の希望なども叶えてもらえることが期待できます。亡くなってしまった後で自分の思いを伝えることはできないので、生前の内に上手な遺言書を残しておきましょう!
・遺言書を残しておきたい!
・相続にこんな希望があるんだけど…
・こんな遺言書で大丈夫かな?
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